民主労総・旭非正規職支会の日本遠征闘争の報告
民主労総・旭非正規職支会の日本遠征闘争の報告
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鎌田由子(動労千葉国際連帯委員会)
韓国・民主労総から旭非正規職支会(全国金属労組亀尾(クミ)支部)の3人の解雇者が、解雇撤回・原職復帰を求めて旭硝子(ガラス)本社に遠征闘争にやってきた。特恵待遇で韓国に侵出した旭硝子の韓国法人・旭硝子ファインテクノコリアの社内下請け企業・GTSで働いていた非正規職労働者が待遇改善を求めて2015年5月29日、労働組合を結成。その1カ月後に旭硝子は、GTSとの契約を突如破棄、労働者はメール1本で解雇された。その直後、労組は動労千葉を頼って第1次日本遠征闘争に来日。その縁で今回、動労千葉と合同・一般労組全国協議会が軸になり、2月21日~3月9日までの第2次日本遠征闘争をともに闘い抜いた。
旭硝子の社内下請け労働者は、1年365日、週4日は3交代、週末は昼夜2交代、昼食時間は20分という強労働を強いられながら最低賃金で働いてきた。些細(ささい)なことで懲罰になると屈辱的な赤いチョッキを着用させられるなど、深刻な人権侵害が常態化していた。
労働組合を結成し、「民主労組を死守して人間らしく暮らそう!」と叫ぶと、2週間後にはGTSで働いていた178人中、138人が組合に入った。「奴隷のように働いていた工場が『現場』に変わった。われわれは工場で初めて解放感を感じた」(『野の花』プロローグ)
しかし6月30日、GTSの全労働者に解雇メールが届く。以来、1000日、厳しい闘いの中、23人の組合員が解雇撤回闘争を続けている。
今回、日本遠征闘争を担ったのは、ナミギウン首席副支会長、ソンドンジュ文化体育部長、チャンミョンジュ調査統計部長の3人だ。3人は「虚空(ホゴン)」という名の律動隊として活動する労組の若手だ。今回は3月4日の国際婦人デー集会で律動を披露し、大きな拍手に包まれた。
東京丸の内にある旭硝子本社訪問を軸に神奈川から関西、東海、千葉へと文字通り東奔西走の遠征闘争(「闘争日程」参照)となった。
3月7日には、韓国から急きょ駆けつけた全国金属労組のイスンヨル副委員長、曹渓寺(チョンゲ)労働委員会の僧侶、さらに大阪から在日韓国基督教会在日韓国基督教会(KCCJ)の金成元(キムションォン)さんも駆けつける中、旭硝子の総務グループマネージャー・小園悦郎は、時間を割いて旭支会の訴えに耳を傾けざるを得なかった。続く国会行動では、安倍「働き方改革法案」阻止の国会闘争を闘う全国労組交流センターの労働者と合流し、怒りのアピールを発した。
その後、日韓労働者の懇談会が開かれ、日本での旭支会支援闘争の継続について意見交換が行われた。ナムギウン首席副支会長が、今後の日韓連帯闘争について、①継続して交流していくこと、②旭硝子の情報を共有し、分析すること、③旭硝子本社に対する宣伝戦を継続することの3点を提起した。
金属労組のイスンヨル副委員長は、「日本の労働者がどういう闘いをやってくれるのか、非常に関心を持っていたが、旭本社と国会前の宣伝戦を一緒にやって労働者は同じような闘いをするのだとわかった。日本で報道機関を通して旭硝子の不法労働行為を明らかにすることが重要だ」と訴えた。
曹渓宗の僧侶は、「旭硝子のような不道徳な経済活動を許してはいけない。労働改悪など、積弊清算のゴールデンタイムだ。この時期を逃してはならない。共同闘争で旭硝子を追い詰めていこう」と国際連帯を呼びかけた。
参加した合同労組、ユニオンからも活発な意見が出され、最後に全国労組交流センターの飯田英貴事務局長が「安倍政権は戦争をするために労使協調の労働組合さえ一掃しようとしている。その時に『野の花』という本に出会い、労働者が厳しい状況に立たされた中でこそ、必ず労働運動はよみがえるということを学んだ。旭支会の解雇撤回と日本の労働者の勝利は完全に一つだ。旭支会と最後まで共に闘う恒常態勢を日本でつくることが何より重要だ」と発言し、討論をまとめた。
今回の遠征闘争は、労働組合のみならず、宗教者をはじめ多くの人たちの連帯の力で実現することができた。韓国では5千冊の『野の花』を手にした人々が旭支会を取り巻いている。
1000日を超えた旭支会闘争の勝利へ、非正規職撤廃へ、そして戦争・改憲阻止へ、日韓共同闘争の力を示す時だ。
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闘争日程
2月
21日 来日、動労千葉訪問
22日 旭硝子・京浜工場門前宣伝・申し入れ
23日 旭硝子本社抗議申し入れ
厚生労働記者会記者会見
25日 在日韓国基督教団と交流
26日 旭硝子関西工場・尼崎事業所門前宣伝・申し入れ
関合労阪神支部春闘弾圧裁判・判決公判を傍聴
港合同昌一金属支部訪問
関西青年労働者集会実行委と港合同田中機械で交流会
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27日 KCCJ案内で釜ケ崎へ 関西生コンを訪問
28日 旭硝子愛知工場(豊田)門前宣伝・抗議申し入れ
東海合同労働組合と交流
3月
2日 旭硝子本社前宣伝 国会議員訪問・支援要請
3日 動労東京の常磐線沿線行動・東京駅丸の内に参加
4日 3・8国際婦人デー集会・デモ参加、 「虚空」律動
6日 日本板硝子共闘労組千葉支部と交流会
旭硝子千葉工場抗議申し入れ
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7日 旭硝子本社抗議申し入れ
国会前集会・記者会見
懇談会
8日 動労千葉と交流会
9日 韓国へ帰国